賢い売り手の予備知識

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また、故障車を買い取った後、もし車体自体がもう使えなくて廃車手続きとなる場合、自動車税や重量税、自賠責保険が部分的に返ってくることがあります。この還付分、多ければ二、三万円にもなることがあります。良心的な買取業者の中には、これらの還付金のことも説明してくれた上で買取額に反映させてくれることもあります。このようなことも、賢い売り手としては知っていて損はないでしょう。
とはいえ、もうひとつ、良識ある売り手として知っておきたいことがあります。それは、車の買取価格の相場は、鉄の相場に大きく影響されるということです。以前は、くず鉄には相当な価値があるとされ、廃車にした自動車も、鉄などの資源に変えられるため中古車販売会社や解体業者が高額で買い取ってくれる、というのが常識でした。しかし、ご存知の方はご存知でしょうが、2008年夏に鉄の相場が大暴落し、自動車買取業者が鉄を買い取る業者に鉄くずを売る際の値段も大幅に下落してしまいました。そのため、どこの自動車買取業者も今は高額買取が難しい状況にあります。ですから、故障車の状態によっては、無料引き取りが精一杯、という状況も十分に発生しうるご時世となったわけです。
もし複数の買取業者から査定してもらった結果、どこも価格がつけられない、最悪の場合廃車処理費用を請求する、ということになったとしたら、あなたの車の状態が大変残念であることに加え、このような鉄の相場の暴落という背景があり、彼らは実際に赤字を回避するためにそうしていると見てよいでしょう。この場合も、真相を確定するためにはやはり、複数の業者の査定を受けることがカギになってきます。
では、鉄の相場が上がってくるまで故障車を保管しておこうという考え方は賢明でしょうか。悪くはありませんが、保管場所の問題のみならず、その間支払い続けることになる自動車税のことを考えても、決しておトクとは言えないでしょう。一時登録抹消という手続きを取れば税金はかからなくなりますが、自ら手間をかけるか、お金をかけて代行を頼む必要があります。

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