安易な廃車にかかる手間

前の記事で触れた、自動車一括査定のしくみについてご紹介する前に、車の処分について少し分析してみましょう。車を処分する方法というのは幾通りかありますが、その中でも最も残念なのが、そのまま廃車にしてしまう方法。一般に考えられているのと違って、自動車を廃車にするというのは、粗大ゴミを捨てるのとは違い、それほど単純なことではありません。
鉄の塊である自動車を物理的にスクラップ・解体するという側面のみならず、法律的に登録手続きをして乗っている一台の自動車を今度は法律的に抹消するわけですから、多くの手続きが関連してきます。たとえば、自分で廃車手続きをする場合、まずは車体を解体してくれる業者、つまり解体業者やディーラー、自動車整備工場を探します。車が自走できるのであれば、業者まで運転していけば、引き取り運搬料がかかりませんが、自走不可能な場合は連絡して取りに来てもらう必要があり、その場合には別途費用が発生します。当該車輌の自動車リサイクル料が未払いの場合、引き取りの時に支払いとなります。解体作業が終わったら、前後二枚のナンバープレート、そして「使用済自動車引取証明書」をもらいます。これらは運輸支局での手続きの際に必要となります。これらの書類の他に、申請書、自動車税・自動車取得税申告書、手数料納付書(これらは運輸支局に行けば用意してくれます)、そして、自動車名義人の実印と発行から3ヶ月以内の印鑑登録証明書、自動車検査証、自動車リサイクル券が必要となります。
この他にも、車検証記載の氏名や住所が現状と異なっている場合、追加で必要となる書類があります。書類の記入については、職員の人が教えてくれる通りに書き込みましょう。続いて、二枚のナンバープレートを返納窓口に返納します。手続きが全て終われば、抹消登録証明書を受け取ります。ちなみに、軽自動車の場合には、軽自動車税納税証明書が必要で、運輸支局ではなく、軽自動車検査協会に出向くことになります。

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