安全運転に注意し、普段からメンテナンスを欠かさないのは、車のユーザー・ドライバーの基本です。しかし、予見し得ない出来事というのはいつでも起こりうるもの。不幸にして愛車が事故に遭ったり、故障してしまうという状況も、絶対にないとは言い切れません。多少の損壊なら修理して乗り続けたいと思うものですが、もし修理不可能だと言われてしまったり、修理代がものすごく高くつくということが分かったら、もうあきらめて買い替えを考えようという結論になるかもしれません。そんな時、故障車となってしまった愛車をどのように処理するのが良いのでしょうか。
大きく分けて、買取と廃車という二つの選択肢があります。故障車を買い取ってもらうというと、少し意外に思われるかもしれません。もちろん、無故障の一般の中古車と比べればマイナス要因が大きく、同等の価格がつくようなことは考えにくいでしょう。しかし、故障車であっても、いくらかで売却することはじゅうぶんに可能なのです。自分では「こんな自動車は買取ってもらえないだろう」と思っていても、業者に買取ってもらえる可能性があり、しかも意外な値段がつくことも少なくありません。極端な話、事故で壊れてしまい自走不可能な車、水没してしまった車、車体が大きく破損した車、例えば前面が完全にひしゃげてしまったというような車であっても買い取ってもらうことは可能です。
なぜそのようなことができるのでしょうか？実は、車買取業者の中でも、事故車や故障車の買取を専門で行なっている業者があります。一般の業者は、買い取った車を自社店舗で顧客に販売したり、あるいはオートオークションという業者専用の会員制オークションに出品して売ったりするのですが、これら事故車故障車専門買取業者の場合、それとは異なる独自の販売ルートを持っています。どのようなしくみにより故障車の買取で採算が取れるのか、そして、どうすればできる限り高額で売却することができるのか、このあと見ていきましょう。